透析が終わって家に帰って上着を脱いだら「シャツが血だらけだった」・・・
怖いですね。外来透析通院中の元気な患者さんでも、こんなことがあるとちょっとブルーになってしまいそうですね。それには、いくつかの原因があります。
• 止血方法が適切でない時
透析の針は皮膚を通過する場所と、実際に血管を貫く場所が数㎜ずれています。ですから適切な場所を圧迫しなくてはいけません。針を抜くときにはスタッフは気をつけていますが、バンドが緩くなって締め直す時にずれてしまうこともあります。クリニック内で締め直す時には、気軽に声をかけて下さい。
• 内シャントに問題がある時
動脈と静脈をつなぐ手術で作った内シャントでは、心臓への帰り道で狭窄が起きると、血管の中の圧力が高くなり、軽く圧迫しただけではなかなか血が止まらなくなります。繰り返して同じ場所に窄刺したり、細菌感染なども圧力が上がる原因となります。
場合によっては狭窄部位を広げるVAIVTを受けていただく必要があります。VAIVTは風船で血管を広げる日帰りでできる手技です。
• 人口血管に問題のある時
人口血管は普通の内シャントよりも圧力が上がりやすい傾向にあります。このため止血の時に、当クリニックではスタッフによる止血を行い止血確認してから帰宅していただいています。血管の外側に瘤を作ったり、感染したりすると血が止まりにくくなりますが、これらは明らかに危険な兆候です。スタッフまで電話でご連絡ください。
透析に使う腕の血管は一日おきの窄刺のために、正常の血管と比べて柔軟さを失っており、感染にも弱く、さらに透析患者さんでは血液自体の止血する力も落ちています。一生懸命働いている血管に負担をかけない様に
*透析前の手洗いの徹底
*シャント血流の毎日のチェック
*腕をぶつけたり圧迫しない
などの日常の注意も怠らないようにしましょう。
原口内科・腎クリニック
院長:原口和貴 |