お元気ですか?
当クリニックも今年の7月で5周年を迎えます。試行錯誤の中、スタッフの数も増えてますます活気が出てきました。より一層良い医療を目指して頑張ります。
さて、5年ともなるとだんだん長期にフォローしている患者様の数が増えてきました。私が大学病院の頃から診させて頂いている患者様も多く、その中で治療が奏功して経過の良かったケースをご紹介しようと思います。今回は、糖尿病を原因とする糖尿病腎症のケースです。2例とも腎機能を示すクレアチニンが横ばいになっています。腎臓の病気は、原因に関わらずクレアチニンが一定以上の値になると次第に悪化する事が多くなります。ですから、クレアチニンの値が横ばいになっているということ自体かなりお薬やご自身の療養が奏功していると考えてよいでしょう。糖尿病の腎障害は、1期、2期、3A期、3B期、4期(慢性腎不全)、5期(透析)と分類されています。以前は、3A期と3B期の間にポイントオブノーリターン(回復不能のライン)があるとされてきました。しかし、近頃は「寛解」と言って腎障害が次第に回復していくケースが稀ながらある事も報告されています。今回お示ししましたお二人は、既に3B期に入っていますが今後も腎機能の悪化が止まったままで、上手く「寛解」になってくれると良いなと思っています。
症例は次のとおりお示ししました。
糖尿病腎症の進行抑制

患者:4○歳 男性
糖尿病歴:10年、家族歴:なし
食事療法(低タンパク、減塩、カリウム制限)と規則正しい生活を守りながら従来の仕事を続けている。肥満はあるが運動(週に2階1時間のウォーキング)の努力も欠かさない。院長の前勤務先(山梨大学医学部)から継続して6年以上続けて受診している。腎機能の低下は止まっている。
飲酒、喫煙:なし、DM腎症:3B、平均HbA1c:6.4%、使用薬剤:オルメテック、エクア、ファブリック、ゼチーア
糖尿病性腎症の進行抑制

患者・7○歳男性 糖尿病性腎症3B期
糖尿病歴:17年 家族歴:父にHT
当院に紹介受診となり、その当時は血圧コントロールが悪く比較的急速な腎機能低下が認められたが厳格に血圧コントロールを行い、ここ2年間は腎機能の悪化はみられない。
運動習慣:なし 飲酒、喫煙:なし DM腎症:3B 平均HbA1c:6%
使用薬剤:ミニプレス、アダラート、ミカルディス、アルドメット、クレメジン、ボグリボース
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