原口クリニックは山梨県甲斐市の 内科 糖尿病 透析 腎臓内科 甲状腺 巻き爪 の専門病院です。

原口内科・腎クリニック

  療養一口メモ ~糖尿病~

 
旅行中の糖尿病コントロールの注意点について

 皆さんお元気ですか?
 三重県の志摩でこの原稿を書いています。今日は10月10日行楽シーズンの真っただ中です。といっても僕は腎臓病の学会に参加しているので一日中暗い会場に缶詰めになっています。学会会場になっているホテルの料理長は有名な人でレストランでは宿泊客が次々に運ばれてくる料理を満足そうに平らげています。旅行中はついつい食べ過ぎてしまいますよね。というわけで今回は旅行中に糖尿病患者としての注意点についてお話しします。先ず旅行は①日本国内の旅行と②時差のある海外旅行と分けて考えましょう。

① 国内旅行

 国内旅行は時差を伴いませんから大きな問題はありません。先ず、薬、インスリンを1、2回分の手持ちとそれ以外は旅行バッグに分けて確実に入れること。大きな荷物の中に一緒に薬が入っていると食事の時に取り出せないことがあります。次に食事の時間を確認して適切な時間に服薬すること。更に食事の時間が不規則になって低血糖を起こし易くなります。袋入りの砂糖(一袋3gか5gが普通です。)を5、6本携帯しておきましょう。
 さて、食事についてですが、旅先でおいしいものを食べるのは楽しみの一つですが、糖尿病の方は1日でも血糖が乱れると、正常化するのに2、3日かかります。せっかくの楽しい旅行で体調を崩しても仕方がありません。
 食欲はほどほどに!また、乗り物に長時間乗るとどうしても運動不足になります。目的地に着いたら時間を見つけて散歩をしましょう。団体旅行の中でも自分だけの旅先での貴重な発見ができるかもしれません。

② 海外旅行

 問題となるのはアメリカ、ヨーロッパのように時差がある所です。機内食は、ほぼ日本国内と同様な時間帯に食事がでます。従って、機内では日本にいる時と同じように服薬したりインスリンを使って下さい。
 旅先に到着したら、現地時間に従って行動し服薬したり、インスリンを使って下さい。ただし、場合によっては機内での最後の服薬やインスリン注射と、現地での第一回目の服薬や注射の間隔が短くなって低血糖を起こす可能性がありますので、旅行出発前に医者に相談して下さい。
 機内では運動不足になり、機内食は一般的に高カロリーとなる傾向があります。摂取カロリーへの注意が必要です。また、機内は乾燥していて脱水になりやすい点も注意しましょう。なお、機内食で糖尿病患者のためにカロリーに注意してくれるサービスがあるはずです。利用してみてはいかがでしょうか。
 また、旅先での生活は早く現地のリズムに慣れることが大切です。なお日光浴は頭の松果体というところに働きかけて体内時間をセットしなおして時差ボケの解消に有効です。試してみて下さい。
 では、旅行を存分に楽しんできて下さい。
 おっと!通院の日は忘れないで下さいね。

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